神経内科用語解説

神経内科用語解説Harmonista興奮性シナプス後電位 excitatory postsynaptic potential: EPSP
情報(信号)が軸索の末端まで伝わると、電位依存性のカルシウムチャネルが開く
→流れ込んだカルシウム(Ca+)が、シナプス小胞にくっつき、細胞膜と融合する (袋が破れる)
シナプス小胞内の神経伝達物質が、シナプス間隙に放出される
→次のニューロンの樹状突起にある受容体に放出された神経伝達物質がくっつき、ナトリウムチャネルが開く
→ナトリウム(Na+)が次のニューロンに流れ込み、それによって細胞膜内の電位が+に なることで静止膜電位が上がる(脱分極)
この時に見られる膜電位のことを、 特に興奮性シナプス後電位 (EPSP:ExcitatoryPostSynaptic Potential)という

神経栄養因子 neurotrophic factor
神経細胞に細胞の外から働く、液性(可溶性:水に溶ける)の蛋白質物質の総称

神経伝達物質 neurotransmitter
ニューロンで生産され、シナプスで放出されて、標的細胞に興奮または抑制の応答反応を起させる低分子の化学物質

セロトニン serotonin
神経伝達物質の一つ
体内にあるセロトニンのうち90%は消化器官に、8%は血液中の血小板に、2%が脳内に存在
セロトニン神経細胞の細胞体は、中脳から延髄にかけて存在する縫線核
ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑え、精神のバランスを安定させる

長期増強 long-term potentiation:LTP

長期抑圧 (long-term depression: LTD

脳の可塑性 Plasticity of Brain
発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象
ノルウェーの神経解剖学者のAlf Brodaが自分が脳梗塞になった体験から、 1973年に提唱した

発芽 sprouting
神経線維の末端が突起を伸ばし成長すること
神経栄養因子の発現が関与している