行為

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高次機能 ― 局所症状

行為

人は生まれてから繰り返し学習することによって、ある目的を持ったまとまった動きをスムーズに行うことができるようになります。これを行為と呼びます。
例えば、バイバイと手を振る、歯磨きをする、口笛を吹くといったものがそうです。

このような行為を意図的に行うことができなくなる現象を失行と言います。
自然な状況では、同じ行為を行うことができ、意図性と自動性の乖離と呼ばれます。
したがって、診察場面ではやらせてみないと失行の有無はわかりません。

◆ 診察項目
運動障害、感覚障害、理解の障害が以下に述べる行為に影響しないことを確認しておく。
例:「バイバイしてください」のように口頭で指示するが、理解が十分でない場合には検者がやってみせ、まねさせる。

◆ 上肢を中心とした行為の失行
観念運動失行:道具を用いないジェスチャーが行えない状態
おいでおいでなどのジェスチャーや歯ブラシを持たずに歯を磨くパントマイムなどをさせる
観念失行:道具を使用する行為の障害
はさみを使う、櫛を使うなどを実際におこなわせてみる
*両方とも左頭頂葉を中心とした病巣で出現する

◆ 口舌顔面失行
口笛、咳払い、舌うちなどが意図的にできなくなる状態です。
左中心前回下部病巣で出現します。

◆ 着衣の障害
麻痺によらない着衣の障害は、多くは家族や病棟スタッフによって気づかれます。
診察としては、上着を用意して実際に着てもらい、どんな誤りをするかを観察します。
視空間認知機能低下、半側空間無視、半側身体失認に伴って出現することも多いです。
半側空間無視など他の高次機能障害に帰すことのできない着衣の障害がみられるとき、着衣失行と言います。
着衣失行は、意図性と自動性の乖離がはっきりせず、日常でも着衣が困難です。
主に右頭頂葉病巣で出現します。

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