医療 ― お役立ちリンク集 ― 認知症
薬物療法
これらの治療薬は、ニューロン間の情報を伝達する化学物質である神経伝達物質を制御することにより機能します。
思考、記憶および発語能力を維持するために役に立ち、特定の行動・精神症状の改善にも役立つ可能性があります。しかし、これらの治療薬は、アルツハイマー病の病態そのものの進行に変化を与えるものではなく、人によって有効である場合もそうでない場合もあり、また、限られた期間のみしか効かない場合もあります。
これら4つの承認薬の作用は類似しているため、ある薬を別の薬に変えても大きく異なる変化は得られないと考えられています。しかし、患者さんによっては、ある薬に対して別の薬よりも良好は反応を示す場合があります。
BPSD
以下を満たす場合に投薬を開始する
1 身体的原因がない。 痛み、脳血管障害など、原因となる疾患が隠れていないかチェックする。
2 薬物の作用による症状ではない。
注意すべき薬剤は、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗パーキンソン病薬、抗うつ剤、H2受容体拮抗薬、抗ヒスタミン剤、抗コリン剤、市販の風邪薬など。
3 環境要因により生じたものではない。
4 非薬物的介入による効果が期待できないか、または非薬物的介入が適切でない。
5 その症状/行動の軽減に薬物療法の効果が期待できる。
6 予測される副作用と効果を加味し、薬物療法が妥当である。
投薬開始後の観察事項
・ 日中の過ごし方の変化、昼間の覚醒度や眠気の程度。
・ 夜間の睡眠状態(就床時間、起床時間、夜間の排尿回数など)の変化。
・ 服薬状況
・ パーキンソン症状の有無(寡動、前傾姿勢、小刻み/すり足歩行、振戦、仮面様顔貌、筋強剛など)
・ 転倒しやすくなっていないか
・ 減量、中止が可能か検討する。減量は漸減を基本とする。
主な薬剤
1幻覚・妄想・攻撃性・焦燥
メマンチン(メマリー)、抗精神病薬、抗てんかん薬、抑肝散
(DLB の幻覚ではコリンエステラーゼ阻害薬も考慮できる)
2意欲低下、うつ症状
コリンエステラーゼ阻害薬、改善しない場合は抗うつ薬
3不安、緊張、易刺激性
抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬
4睡眠障害
非ベンゾジアゼピン系、睡眠薬、抗精神病薬、抗うつ薬