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甘いものを食べすぎると記憶力が低下する?!

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今日で今年も終わりですね。
せっかくなので鶴岡八幡宮の大祓に行ってこようと思います。
新年は、きっと人混みと寒さに負けてお家で籠城生活。
食べ過ぎには気をつけるようにします。

食べ過ぎは胃に負担がかかるだけではなく、ずっと続くと、糖尿病や高脂血症、高血圧になりやすくなります。これらは、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。

実はそれだけではなく、甘いものを食べすぎると頭が鈍くなるのではないか?という報告もあります。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者フェルナンド・ゴメス・ピニーリャがラットで行った実験です。
まずラットを5日間訓練し、迷路を通り抜けられるようにします。その間は、水と標準的なエサを与えました。そして、その後6週間は水の代わりに15%の果糖溶液を与えました。

すると、迷路の通り抜けに時間がかかるようになったのです。
そこで、それらのラットの脳を調べると学習の鍵を握るシナプスの可塑性(かそせい)が抑えられていたのです。可塑性というのは,外界から入ってきた刺激に対して神経系が構造的あるいは,機能的に変化する性質のことです。
まぁ、雑に言えば、訓練しても脳が変化しにくくなっていた、つまり記憶しにくくなっていたということです。
それだけでなく、記憶を司っている海馬でインシュリンの働きが妨害されていたそうです。

ただ、食べ過ぎなければ甘いものにもちゃんとメリットはあります。
セロトニンという心のバランスをとるのに必要な物質があるのですが、その材料となるトリプトファンが脳内に入るのに一役かっているのです。

だから、疲れていると甘いものが欲しくなるのかもしれません。
身体が欲しているのでしょうね。

元ネタはこちら
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2012/05/1108.html
http://nationalgeographic.jp/…/20141…/429794/index_sp4.shtml

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習 - 記憶力を高めるには

麻雀で認知症予防

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昨日ネットで、102歳の渋谷寿栄子さんが18歳で麻雀覚えて今も毎日雀荘通いをしているという記事を見かけました。
http://news.nifty.com/…/det…/postseven-20150123-298527/1.htm

麻雀が認知症予防に効果的かもしれないというように言われていますが、こういう記事を見ると本当かもしれない…と思ってしまいます。

私も大学1年の冬休み、たぶん同じく18歳の時に、父と弟が麻雀牌を買ってきて、「今からやるから」と言われて、母も含め4人で麻雀をやったのが初めてです。
「やればわかる」と言われ、ほとんどルールの説明なしで始めた結果、以前に捨てた牌であがろうとして怒られた記憶が…。
ホントそういうことは最初に教えてください。

それはともかく、脳の神経細胞は、加齢とともにダメージを受けます。
残念ながらダメージを受けた神経細胞は、元には戻りません。ただ、同じように神経細胞がダメージを受けても症状が出る人もいれば出ない人もいるようなのです。

アメリカの聖職者がお亡くなりになった時の脳を調べたところ、認知症の症状が出ていなかった人も認知症の症状があった人と同じように神経細胞のダメージを受けていました。
症状が出ていなかった他人の4割ものひとにアルツハイマー病の人と同じような変化がみられたそうです。

では、なぜその人たちは神経細胞のダメージがあったにもかかわらず、認知症の症状が出なかったのでしょうか。
その時に考えられた仮説というのが、認知予備能という考え方です。
つまり、神経をつなぐネットワークがダメージを受けてもそれを迂回する機能があればそれを補うことができるのではないかというのです。

では、その認知予備能はどうやったら鍛えられるのでしょうか?
これには決まった答えはないそうです。
ただ、最も大切だとされているのが、本人がストレスを感じず楽しめることだそうです。

その中でも麻雀は前頭葉や角回(かくかい)といった高度な認知機能に関わる部位が活性化することがわかっています。そのほかにもチェスや将棋など相手の先を読むといった高度な認知機能を必要とするものが効果的だそうです。
もっとも、本人がそれらを楽しめればということにはなりますが…。

私の場合は、大学を卒業してから麻雀はやったことないんですが、これを見て久しぶりにやってみたくなっちゃいました。

元ネタはこちら
http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2014070800102.html

自ら行動することでより多くのものを受け取れる

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私たちは、同じ経験をしたとしても、ただ単に受け身でいる時と自らがすすんで行動した時とでは、受け取るものが違ってしまう可能性があります。

それを示唆するおもしろい実験があります。
ただ、対象はネズミですが…。

アメリカのデューク大学のクルパ博士らが行った実験です
ネズミのヒゲにものが触れた時の一次体性感覚野、つまり感覚に関係する脳の部位の反応を以下の2つの条件で記録しました。
1. 実験者がネズミのヒゲに物を接触させた
2. ネズミが自らヒゲを動かして物に触れた

同じネズミが同じものに触れたわけですから、感じる感覚は一緒でしょって思いませんか?
ところが、この2つでは、全く脳の活動が違ったのです。

同じものがヒゲに触れ、同じ感覚が脳に伝わっているにも関わらず、自らヒゲを動かした時のほうが、10倍近くものニューロンが強く活動していたのです。
もうビックリですよね。10倍ですよ。

つまり、同じ経験をしたとしでも単に受け身な態度の時よりも自ら能動的に受け取りに行った時の方がより脳が活性化して感じ取れるってことでしょうか。
能動的な方が受け取る準備ができているんですかね。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15218154

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習 - 記憶力を高めるには

学習するのに最適な時間

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私たちが学習するのに最適な時間というのがあると言われています。
私たち人間の脳には、進化の過程で培ってきた要素というのが残っています。

たとえばサバンナで暮らすライオンは、昼間はほとんど寝ています。
そして、獲物を狩るのは、明け方や夕方。この時間帯は、脳がフル稼働して、どこに獲物がいるのか、敵に遭遇しない場所はどこか、ということを覚えます。

そして、人間も頭がさえて、記憶力が良くなる時間帯は同じだというのです。
まずは、起きてから日が高くなり始める午前10時ころまで。
理由は、お腹が空いているからだそうです。「空腹」というのは、危機的状況でもあるため、自然に注意力や記憶力が増します。なので、朝食は軽めがポイントです。

もう1つ重要なポイントが、「水」だそうです。
コネチカット大学のアームストロング博士らの論文によると、水分の損失が体重の1%以下でも、記憶力の低下や認知エラーが起こるそうです。

1%の水分損失くらいでは、全く本人の自覚症状はありません。
頭痛やノドの渇きも感じないので、自分では気づかないのです。
実際、朝、学校に着いたときに検査をすると、すでに大半の子供たちが脱水症状であることがわかっています。

イギリスで小学校低学年の児童を対象に行った実験です。
物語を読み聞かせて、物語の内容を4択問題で思い出してもらいました。
すると、事前(20分前)に約200ミリリットルの水を飲んだ児童のほうが10%も点数がよく、特に難しい問題の正答率が高いという結果が出たそうです。

その他の効果的な時間は、
午後4時~夕食の時間までと就寝前1~2時間だそうです

http://president.jp/articles/-/12052
Mild dehydration impairs cognitive performance and mood of men
(http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8425835)

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習 - 記憶力を高めるには

褒めることで学習効率が上がる

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ふだん何かを学ぶときや人に教える時、自分や相手にどういう言葉をかけていますか?
私はついつい、自分に対しても相手に対しても、できなかったところを探して、「もう少しこうしたほうが…」と改善点を指摘してしまいます。
でも、効果的に学習しようと思うと、まずは『小さな成果を褒めてあげる』ということが大切なようです。

というのも、人は褒められると学習効果が上がるといわれています。
その理由として考えられているのが、脳の『報酬系』という働きです。
報酬系というのは、脳の快感を感じる場所です。
人は、褒めれれることで、この報酬系が活発に働くようになるのです。

そのため、それを学習することが楽しくなって、継続しやすくなります。
それだけでなく、褒められることで、より記憶に定着しやすくなるともいわれています。
つまり、学習時間が同じだとしてもより身につきやすいということです。

生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授らの研究チームが行った実験です。
右利きの成人男女計48人を対象に行っています。
左手を使って決められた順序でパソコンのキーボードを打ち、30秒間で早く正確に入力する練習を12回してもらいます。

次に、練習結果がよくできたかどうか関係なく、3つのグループに分けて、以下の映像を見てもらいます。
1) 自分が褒められる映像を見る
2) 他の人が褒められる映像を見る
3) 自分の成績をグラフで見るだけ

そして、翌日にもう一度、同じテストをして、それぞれのグループで成績がどれくらい良くなったかを調べました。

すると、自分が褒められた映像を見たグループは練習より約20%も多く打てたそうです。
ちなみに、他の2つのグループも練習よりは多く打てましたが、約14%にとどまっていました。
褒めることがいかに効果的かが分かります。

私たちがふだんの生活で最も聞いているのは自分の声です。
声に出したものだけではなく、心の声も。
まずは、自分自身を褒めてあげることから始めてみるのもいいかもしれません。

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よく噛むことで記憶力がアップする

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食事を食べるという事は、動物にとって生きていくうえで欠かせない行為です。

私たちは、身体を維持するのに必要な栄養を得ています。
それだけではなく、食事は他人と仲良くなるのに一役買ってくれています。

しかも、私たちが食事を食べる時に、あることにさえ気をつければ、脳を活性化することができるのです。

それはというと…よく噛むことです。

元神奈川歯科大学教授の齋藤氏によると、よく噛むことで記憶を司っている海馬が活性化するらしいのです。

マウスで行った実験です。
臼歯を削られた老齢マウスで、記憶力のテストをしたところ、記憶力が低下していました。
そこで次に、そのマウスの削り取った歯を治療してよく噛めるようにしました。

すると、なんと…記憶力を50%も回復させることができたそうです。
よく噛めるようになったマウスでは、海馬の神経細胞の数も回復していたそうですよ。

では、これが本当に人間にも当てはまるのでしょうか?

ガムをよく噛んでもらった後の脳の様子をfMRIという脳の機能を調べる装置を使って測定しています。

すると、海馬と連合野の活動性があがっていました。しかも、高齢者の方がその傾向は強かったそうです。
つまりは、よく噛んで食べることで、記憶力低下を防げる可能性もあるかもしれないということです。

実際、厚生労働省が愛知県内の65才以上の健康な人約4500人を4年間調べた結果では、歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人が認知症を発症するリスクは、歯が20本以上ある人の1.9倍だったそうです。

東北大学大学院歯学研究科の渡邉誠教授らによる研究によると、歯の数が少ない高齢者ほど、記憶をつかさどる脳の海馬や、意志や思考能力を担っている脳の前頭葉が縮んでいたそうです。

現代では柔らかい食事に恵まれています。そのため、残念なことに最近の日本人は昔と比べると、あまり食べ物をよく噛む習慣がなくなったそうです。

意識して、よく噛む習慣を身につける必要があるのかもしれません

元ネタはこちら
http://diamond.jp/articles/-/6779

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人との関わりで海馬が育つ

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人は社会的動物と言われています。
実際、私たちは日々の生活で多くの人々と関わりを持って過ごしています。
ほぼ一人で過ごしているという人でさえも他の人たちの存在なしでは、生活を行っていくことは難しいでしょう。

そのせいかもしれませんが、私たちが幸せを感じるかどうかには、健康であることと親密な人間関係が築けているかが最も関係しているとされています。
思い返してみてもわかると思いますが、逆に、私たちの悩みのほとんどは人間関係から生じると言われるように、人との関わりはストレスの要因ともなってきます。

ある意味、それだけ私たちは、人と良い関係性を築きたいという共通の願望を持っているということかもしれません。

実際、私たちの脳は人との関わりの中で育つということもわかっています。
これは、すでに他の哺乳類にでもいえることのようです。
Elizabeth Gould博士がラットで行った実験です。

運動は、脳の神経細胞を増やすということがわかっています。そこで、同じ種類のラットに軽く走らせて、環境によって海馬の神経細胞の増え方が違うのかを調べました。
単独で育てた場合と何匹か一緒に一つのカゴで育てた場合について比べたわけです。

すると、同じ種類のラットに同じ運動をさせたにも関わらず、何匹か一緒に一つのカゴで育てた場合の方が、神経細胞の増殖能力が高かったのです。

ただ残念なことに、社会の現場で優位な対人関係にいるものほど神経細胞の増殖能力が高いこともわかっています。優位な対人関係にいるほうがストレスが少ないということなのでしょうか?
ストレスによって海馬の増殖能力は抑えられるといいますし。

ちなみに、海馬の神経細胞の増殖能力を高めるものとしては以下のものがあります。
1. いろいろな刺激に触れる事(豊かな環境):ネズミの飼育箱に遊び道具を入れておくと増殖能力が高まります。
2. 適度のランニング
3. 食べ物をよく噛むこと
4. 社交の場に積極的に出る事
5. ストレスを避ける事
6. 幼児の場合は、母親の愛情をふんだんに受ける事

脳の取扱説明書 p292

Alexis M Stranahan et. al. Social isolation delays the positive effects of running on adult neurogenesis. Nature Neuroscience 9, 526-533, 2006

http://www.nature.com/neuro/journal/v9/n4/abs/nn1668.html

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