うつだと世界は灰色に見える

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私たちは気持ちによって見えている世界が少し違う可能性があります。
自分がどのように感じているのかを色で例えて、「バラ色の人生」や「お先真っ暗」と表現することがありますが、もしかするとこれは本当のことかもしれないのです。

ドイツのフライブルグ大学の研究チームが行った実験です
網膜スキャンを使って、さまざまな白と黒のコントラストに対する網膜の反応を測定しました。

その結果、うつ状態の人では網膜の反応が大幅に低下していたそうです。
しかも、うつ状態がひどいほど網膜の反応も低かったそうです。

つまり、うつ状態だと本当に「灰色の世界」を見ているという事です。

この研究を掲載した雑誌 Biological Psychiatryの編集長 John Krystal氏は、「詩人のWilliam Cowperは『多様さは人生のスパイス』と言っています。人はうつ状態になると、見ている世界のコントラストを感じにくくなり、世界が楽しくなるようだ」と述べています。

逆に、うつ状態の人や不安を感じている人にカラーチャートの中から自分の気分を表す色を選んでもらうとグレーを選ぶ場合が多いそうです。

『脳の取扱説明書』p103

Emanuel Bubl et.al. Seeing gray when feeling blue? Depression can be measured in the eye of diseased. Biological Psychiatry 68(2), 205-208, 2010

脳とこころの豆知識 - 私たちが見ている世界はみんな同じなのか

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