なぜ嘘をついてしまうのか

なぜ嘘をついてしまうのかHarmonista

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【目次】
1. 嘘つきは脳の働きが違っている
2. 愛のホルモンが人を嘘つきにする?!


1. 嘘つきは脳の働きが違っている

ついつい嘘をついてしまう人っていうのは、正直な人と脳の働きが違うようです。

京都大学の阿部修士特定准教授らが米国誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに報告したものです。
20~30代の学生ら約30人を対象に次の2種類の実験を行いました。

1) 表示される画像に従ってボタンをうまく押せば報酬がもらえる
2) コインの裏表を予測。正解だとお金がもらえ、不正解だとお金を失う
これを以下の2条件で行う
① あらかじめ解答を報告する
② 心の中で予測し、正解かどうかを自己申告

実験 1)では、報酬への期待が大きいほど、報酬を期待された時に働く「側坐核(そくざかく)」という脳の部位が活性化していました。
まぁ、当然といえば当然ですよね。

そして、実験 2)では、申告した場合の正答率が不自然に高い場合、嘘をついたとみなされます。すると、実験 1)で「側坐核」の働きが活発だった人ほど嘘をうく確率が高かったそうです。

つまり、報酬への期待が大きいほど、ついつい嘘をついてしまうということです。
でも、中には、報酬への期待が大きくても嘘をつかない人たちもいました。

そういう人たちの脳は、「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」という理性的な判断や行動をつかさどる脳の領域が活発に働いていたそうです。
報酬への期待を頑張って理性で抑えていたということでしょうか?

人は何かに対する期待が大きい…つまりそれを手に入れたいという欲求が強いとそれを手に入れようと嘘をついてしまうのかもしれません。人から「すご~い」と尊敬してほしくて、ついつい見栄を張ってしまうのも似たようなものかもしれません。

元ネタはこちら
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/274.html

Lie-detecting software uses real court case data (Dec 10, 2015)
ミシカン大学の研究者たちが実例をもとに嘘を発見するソフトウェアを開発。75%もの正確さ。

2. 愛のホルモンが人を嘘つきにする?!

私達が人と触れ合ったり、恋をしたり、赤ちゃんを産んだり、母乳を赤ちゃんに与えたりするときに出るホルモン、「オキシトシン」は「愛のホルモン」とも「幸せホルモン」とも呼ばれています。
また、この「オキシトシン」は、抑うつ気分を改善するセロトニンの分泌を促したり、社会性が向上するとも言われています。

今までは、この「オキシトシン」の良い面ばかりがクローズアップされていましたが、どうも困った作用もあるようです。

イスラエルのBen-Gurion University of the Negevとアムステルダム大学の共同研究チームによる報告によると、なんと嘘をつくのを躊躇しなくなるという作用があるそうなんです。

健康な男性60人を対象に行っています。
2つのチームに分けて、コインを投げて裏か表かを当てる簡単な賞金付きゲームをしてもらいました。予想があたった場合には、40セントがもらえるというものです。
片方のチームには、ゲーム30分前にオキシトンを鼻に噴射します。そして、もう一方のチームには偽薬を噴射します。

もちろん、どちらが偽薬かどうかは誰も知りません。

結果は、両チームともにゲームに勝つために嘘をつく人はいました
しかし、ホルモンを体内に入れたチームのほうが嘘をつく確率が高かったのです。
そして、同じように嘘をつくのでも、ホルモンを噴射した人のほうが嘘をつく速度が速かったのです。つまり、躊躇なく嘘をついたということです。

愛と幸せのホルモンが嘘をつきやすくするなんて…個人的には、この結果…ちょっとショックです。

元ネタはこちら
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2593802/Can-love-hormone-make-LIE-Researchers-say-oxytocin-increase-dishonesty.html#ixzz2xcvff9aA

脳とこころの豆知識 ― 不合理な行動

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