適度なストレスがパフォーマンスを向上させる~ヤーキース・ドットソンの法則~Harmonista
学習とパフォーマンスを最大に発揮するには、適度なストレスが必要だとされています。…
学習やパフォーマンスとストレスヤには、ヤーキース・ドットソンの法則という関係性があるそうです。
ロバート・ヤーキースとJ. D. ドットソンがラットで行った実験です。
ラットを黒と白の目印を区別するように訓練します。その時に、学習効果を促すためにラットが間違えたときに電気ショックを与えました。
そして、この電気ショックの程度をいろいろと変えて、学習効果を調べたんですね。
当然、全く電気ショックを与えないよりも少量電気ショックを与えた方が、それを避けようとして学習効果があがります。そのため、ある一定のレベルまでは、電気ショックの程度を上げれば上げるほど学習効果が高まりました。
ところがです。電気ショックがある一定のレベルを超えると今度は徐々に学習効果が下がっていったのです。
つまり、電気ショックの時が一番学習効果がよく、強すぎても弱すぎても学習効果が落ちるというわけです。
これは、もちろん人にも当てはまると考えられています。
ストレスやモチベーションといった刺激が適度にあるときにパフォーマンスが最も高くなります。そういった刺激が強すぎても弱すぎてもパフォーマンスは低下してしまうのです。
でも、どれくらいが適度な刺激かという判断って難しいと思いませんか?
実は、何を行うのか、その難易度によってその適度な刺激の程度も変わるといわれています。
易しい課題の時には、より強い刺激の方が、難しい刺激の時には弱い刺激でリラックスしていた方がパフォーマンスがいいそうです。
このヤーキース・ドットソンの法則を日常生活で考えてみましょう。
納期が迫ってくる…つまり負荷がかかった状態だと、集中力が増して、仕事の効率が上がります。いっぽう重すぎる責任はかける労力の割に結果が伴いにくいでしょう。
では、これを日常生活に応用できないのでしょうか?
単調な仕事の時には、ご褒美を設けてモチベーションを上げたり、逆に時間制限を設けてプレッシャーをかけたりすることで、パフォーマンス向上が図れます。
逆に責任が重すぎてストレスを過剰に感じる場合には、呼吸法などでリラックスするよう心掛けるのがいいかもしれません。
脳とこころの豆知識 - 記憶と学習