チャレンジ精神

チャレンジ精神Harmonista94

私たちが何かをしようとする時、確実に成功するものよりも多少失敗するリスクのあるものを好む傾向があるとされています。
ちょっとした冒険が好きなのです。

おもしろいことにこの性質は、人間だけではなく、動物に共通のものなのかもしれません。

鳩で行った実験です。
AのカゴとBのカゴに鳩を1羽ずつ入れます。
どちらのカゴにも餌のスイッチがあり、鳩がくちばしでそのスイッチを押すと餌が出るようになっています。
Aのカゴはスイッチを押すと100%餌が出ます。
Bのガゴはスイッチを押しても時々しか餌が出ません。

すると、Aのカゴにいる鳩とBのカゴにいる鳩では、とる行動が違ったのです。
Aのカゴの鳩はお腹が空いた時だけスイッチを押しました
ところが、Bのカゴの鳩はお腹のすき具合に関係なく、何度もスイッチを押したそうです。お腹が空いた時にだけたくさん押すわけじゃあないのです。
そして、押す頻度が一番高かったのが、確率50%の時だったそうです。

サルでも似たような実験がされています。
こちらは、サルの前にAとBの2台のジュースタンクを置きます。
Aのタンクはボタンを押すと150mlのジュースが出てくるようになっています。
そして、Bのタンクはというと、ボタンを押すと100mlのジュースが出てくるときもあれば、200mlのジュースが出てくるときもあります。
そうすると、サルはBのボタンを押し続ける傾向があったそうです。

つまりは、100%結果が約束されているものよりも、多少なりともギャンブル性のあるもののほうが好きだったということです。

このように、「ある行動に対して毎回ご褒美を与えるよりも、たまに与える方が行動を続けるようになる」現象を『部分強化』と言うそうです。

とはいっても、人間の場合は、いろいろと考えすぎてしまうので、そう単純にはいかないかもしれません。
失敗への恐れが強すぎれば、いくら望んでいても行動にうつすことは難しくなります。
そういう人では、100%結果が保証されたものを好むでしょう。

また逆に、ギャンブル依存のように、その当たるかどうかのハラハラドキドキする感じや大きくあてた時の快感が忘れられないという人もいるかもしれません。
自分の中の満たされないものをその興奮で埋めたくて、失敗の確率が高いことを敢えてし続けてしまうのです。

なんだか人間ってめんどうな生き物ですね。

Johansson P et. al. Failure to detect mismatches between intention and outcome in a simple decision task. Science 10:116-119, 2005

脳とこころの豆知識 ― ビジネス - なりたい自分になる

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