宇宙では筋肉は萎縮するHarmonista
昨日、若田光一さんが無事地球に帰還されましたね。
今回の宇宙滞在は188日で1回の飛行としては日本人最長、通算の滞在日数は348日。本当にお疲れさまでした。
宇宙に滞在すると急速に筋肉が衰え、心臓の働きも低下していくことがわかっています。
そのため、宇宙飛行士は打ち上げまでは、筋力トレーニングやランニングなどの運動を約2時間、週に3回程度行うそうです。そして、宇宙に滞在中は1日2時間半の運動時間がほぼ毎日スケジュールされ、地上に帰還してからもリハビリを行います。
では、なぜ宇宙に行くと筋肉が衰えてしまうのでしょうか?
地上では、重力に抗して姿勢を維持する必要があるために、抗重力筋は絶えず活動する必要があります。しかし、宇宙では、重力が存在しないため、身体を支える必要がありません。そのため、意識的に筋肉を動かさないと筋線維が細くなってしまうのではないかと考えられています。
なんと、数日から数週間の宇宙飛行(無重力への暴露)によって骨格筋は著明に委縮してしまいます。太ももの筋肉(外側広筋)は、たった5日間の宇宙飛行で筋線維が11~24%も萎縮し、11日間の宇宙飛行ではなんと16~36%も萎縮したと報告されています。
筋肉の中でも姿勢を保持し、歩行に関係する抗重力筋(ヒラメ筋)は萎縮しやすいそうです。
筋線維では遅筋(ちきん)は速筋よりも萎縮しやすいことがわかっています。
「速筋」は、瞬間的に大きな力を出せる瞬発性に優れた筋肉のことです。短距離走やウエイトリフティングなどで、この「速筋」が活躍します。
「遅筋」は、全筋量の70%~80%を占めていて、カラダ全体のエンジン的な役割をしています。
筋肉を使わないことによる筋肉の委縮は、宇宙飛行士だけでなく、寝たきりの人や健康な老人にも起こるとされています。今のうちにふだんから運動するように心がけたいものです。
下記も参考に
宇宙飛行士のように体を鍛えよう
http://iss.jaxa.jp/med/missionx/missionx_2014.pdf
宇宙飛行士におこる身体の変化
http://blog.livedoor.jp/suchan4wd6/archives/6233932.html
脳とこころの豆知識 - 運動