何にどれだけ意識を向けるか~イメージだけでも脳は育つ~

何にどれだけ意識を向けるか~イメージだけでも脳は育つ~Harmonista143

ふだん何に意識を向けて生活していますか?
脳の神経細胞は、子どもの時ほどではありませんが、大人になってからでも増えます。
そして、何にどれだけ意識を向けるかで、それは変わるようなのです。

電子ピアノで右手の複雑なパターンを1日2時間、5日間連続で練習すると右手指の筋肉を司っている脳の領域が拡大するという報告があります。

しかし、これは実際に複雑な指の動作を行わなくても起きる現象らしいのです。
最初の1日だけ実際に電子ピアノでパターンを習い、後の4日間は実際にはピアノは弾かず、頭の中で練習してもらいました。

さすがに実際の練習が1日だけなので実際に練習したほどはうまく弾くことはできませんでした。ところが、電子ピアノでパターンは習ったものの全く練習をしなかったグループに比べると正確かつ滑らかに弾けたそうです。
そして、脳も実際に練習した場合と同様に右手指を司る領域を増やすように変化していました。

つまり、実際に行動するだけではなく、その行動をイメージし、指に意識を向けていたことがとても重要だったということです。

太極拳ではゆっくりとコントロールされた手足や身体の動きをするため、本格的に太極拳をしている人はかなりの注意を手、特に指先に向けています。
そのため、太極拳の熟達者では一般の人たちに比べて、指先の触覚感度が高くなっていることがわかっています。

今、自分の手足や身体がどの位置にあるか…つまりどういう体勢をとっているかを脳が把握するためには、感覚神経が重要な働きをしています。
つまり、自分の指先の状態まで十分に意識を払っていたことが、脳の感覚領域を広げ、指先の触覚感度を上げたのではないか…と考えられるわけです。

つまりどれだけ意識的に行動できていたかで、脳の活動性は変わってくるということです。
あなたは何にどれだけ意識を向けますか?

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習

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