私たちの感覚も騙されることがあります。
実際、どれくらい自分の身体の感覚があいまいなのかということを示しているのが、2004年にロンドンの神経内科医エアソンらが行った『ゴムの手の錯覚』という実験
被験者は、自分の左手をテーブルの下など自分の視界から見えない
そこには、本物そっくりのゴム製の左手が自分の目の前においてあり
検査者は隠れて見えない被験者の手とゴム製の手を細い筆でなでま
不思議なことに、2つの手を同時に同じ方向でなでると、被験者はゴム製の手をあた
目の前にあるのは、自分の手じゃなくてゴムの手
実際に被験者に「右手で左手を指してみてください」と指示
ただし、最初に自分の手とゴム製の手で、なでる方向が違っ
では、この時に脳は、いったいどのように働いているのでしょうか
実験中に被験者の脳の活動がどうなっているのかを、fMRIを使って調べた実験があります。
実験中まずは、頭頂葉の活動が高まります。
そして、ゴム製の手が自分の手であると感じ始めるにつれて、運動
つまり、頭頂葉は筆でなでれていることを触覚だけでなく視覚も使って解析しているということです。
頭頂葉が、触覚からの情報と視覚からの情報が一致していると判断したとき、つまり自分の目で見ている
その結果として、ゴム製の手が自分の手であるという感覚が生じる
脳の勘違いが生まれるわけです。
同じ研究室で行われた実験で、ゴム製の手を自分の手と思わせた後
つまり、自分の手が針で突き刺されそうだというときと同じ反応が出
脳の取扱説明書 p124