普段とのわずかな違いを認識できるわけ

普段とのわずかな違いを認識できるわけHarmonista147

私たちは、どこかへ行ったとき、今いる場所が「以前に来たことがある場所」なのか、それとも「はじめてきた場所」なのかぱっとわかりますよね。
これは、私たちが一瞬にして、今いる場所を過去の記憶と照らし合わせて行われています。

では、夜、家に帰った時、少し家具の位置が変わっていたとか、新しい絵が飾られていた場合はどうでしょう?

これは、けっこう気づくのに時間がかかりますよね。
というのも、過去の情報と今の情報、この場合だと朝の家の状況と今の家の状況に共通点が多いからです。
そのため、両者を比較して違いを探すのが難しくなり、時間がかかってしまうのです。

このわずかな違いを認識するのに大活躍しているのが、海馬の一部 CA2と呼ばれる場所です。
では、このCA2が障害されるとどうなってしまうのでしょう?

マウスでは、CA2が障害されると新しい環境に移しても、その環境を探索しなくなるそうです。
そして、ヒトでは、海馬の中のCA2の割合は、他の動物よりも大きいそうです。そのため、ヒトでは、このCA2はより多くの役割を担っていると考えられています。

実際、統合失調症や躁うつ病では、初期の段階でこのCA2に異常をきたすということがわかっています。
そして、このCA2の異常のため、記憶の中の体験と現在の体験をうまく調和させることができずに、病状が深刻化しているかもしれません。

元ネタはこちら
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140219_1/

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習

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