なぜ振り込め詐欺にあってしまうのか

なぜ振り込め詐欺にあってしまうのかHarmonista142

以前に東京都板橋区の72歳の女性が振り込め詐欺で2億円をだまし取られたというニュースがありました。その金額にもビックリしてしまいますが、こんなに振り込め詐欺が話題に上がっているのに、なぜ私たちはひっかかってしまうのでしょうか?

その理由を2つ挙げています。
1つ目が電話、2つ目が時間的な切迫感の中で、一息ついて考える時間を与えられないこと、だそうです。

電話の声だけでは、相手が誰であるかということを特定するのは難しいとされています。
でも、私たちは、電話の声だけで、相手が誰かわかることがありますよね。
それは、声だけでなく、話し方、電話を受けた時間、状況など断片的な情報を総合してイメージを作り上げるからだそうです。そのため、不確実な相手の場合、周辺状況で補った結果、相手を見誤るのではないかとされています。

そして、私たちが何かを決めるには、2つのメカニズムがあります。1つが無意識に判断するもの、もう1つがよく考えて判断するものです。私たちは、この2つを同時に使いながら、さまざまな判断をしています。

そのうち、無意識な判断というのは、「専門家の意見は正しい」「値段の高いものは価値が高い」というように、ある一部の情報から自動的に判断されます。あまり労力もいらないし、効率よく判断できるので、日常的にとてもよく用いられているのではないかと考えられています。

この無意識の判断は正しいことも多く、便利なものですが、残念なことに詐欺などのだましには非常に弱いそうです。

たとえば、振り込め詐欺では、切迫した状況を伝えることで、相手にじっくり考える暇を与えず、無意識の自動的判断をさせるように仕向けているのです。

では、瞬時に判断する場合とよく考えて判断する場合では、どう違うのでしょうか?
それを調べた実験があります。

賃貸マンション、自動車、パソコンのいずれかについて、4つの選択肢の中からどれを購入するかを決めてもらいます。
それぞれの長所と短所を一定の割合で組み合わせて提示しており、長所が多いものを選んだ場合を正解としました。

若者では、瞬時に判断した場合とゆっくり考えた場合で特に正答率に差は見られませんでした。
ところが、中高年、とくに女性においては、瞬時に判断した場合の正答率は、ゆっくり考えた場合に比べてかなり低かったそうです。

つまり、あわててとっさに判断すると間違えやすいということです
逆に言えば、いったん待って、おちついて考えることが有効であるともいえます。

もっと詳しく知りたい人はこちら
http://www.caa.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/pdf/08sh_0201_07.pdf

脳とこころの豆知識 ― 不合理な行動

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