記憶の形成

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私たちの記憶は、複数の段階を踏んで作られるとされています。

1.情報の選択
私たちは、ふだんの生活で、膨大な情報にさらされています。そのため、接した情報すべてを覚えているということはできません。なので、のちのち役に立ちそうな情報だけを選び、それ以外は見過ごされます。
特に意識しない限り、1秒程度で情報は失われるとされています。この1秒程度の記憶が感覚情報保存(感覚記憶)と呼ばれるものです。

2.情報を寝かせる
最初の段階で選ばれた情報は、それに関連した過去の記憶と関連付けられて貯蔵されます。そして、それは適当な時間保持されます。

3.想起
現在起きた出来事によって、保持されている適切な記憶(例えば次にとるべき行動を導くような情報)が思い出されます。

4.変化
思い出すたびに、記憶は新しい情報と合うように少しずつ修正されます。

5.忘却
定期的に思い出されない限り、蓄積されると同時に忘れ去られていきます。そのため、不要な情報が消去されます。

そして、私たちは、残念なことに、それぞれの段階でいろんな失敗をしてしまいます。

例えば、1の段階で失敗すると、重要な情報を見落とします。
2の段階で失敗すると、情報は間違った事項とリンクされて保管されたり、新しいことが覚えることが難しくなったりします。
3の段階で失敗すると、喉まで出かかっている名前や単語が出てこなくなります。
4の段階で失敗すると、事実とは違った記憶が作られます。
5の段階で失敗すると、大切な情報も忘れてしまったり、逆に忘れたいことをいつまでも忘れられなかったりということがおきます。

意外と、過去の状況を正確に覚えておくというのは、大変なのです。

脳の取扱説明書 p166

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習

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