褒めることで学習効率が上がる

褒めることで学習効率が上がるHarmonista312

ふだん何かを学ぶときや人に教える時、自分や相手にどういう言葉をかけていますか?
私はついつい、自分に対しても相手に対しても、できなかったところを探して、「もう少しこうしたほうが…」と改善点を指摘してしまいます。
でも、効果的に学習しようと思うと、まずは『小さな成果を褒めてあげる』ということが大切なようです。

というのも、人は褒められると学習効果が上がるといわれています。
その理由として考えられているのが、脳の『報酬系』という働きです。
報酬系というのは、脳の快感を感じる場所です。
人は、褒めれれることで、この報酬系が活発に働くようになるのです。

そのため、それを学習することが楽しくなって、継続しやすくなります。
それだけでなく、褒められることで、より記憶に定着しやすくなるともいわれています。
つまり、学習時間が同じだとしてもより身につきやすいということです。

生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授らの研究チームが行った実験です。
右利きの成人男女計48人を対象に行っています。
左手を使って決められた順序でパソコンのキーボードを打ち、30秒間で早く正確に入力する練習を12回してもらいます。

次に、練習結果がよくできたかどうか関係なく、3つのグループに分けて、以下の映像を見てもらいます。
1) 自分が褒められる映像を見る
2) 他の人が褒められる映像を見る
3) 自分の成績をグラフで見るだけ

そして、翌日にもう一度、同じテストをして、それぞれのグループで成績がどれくらい良くなったかを調べました。

すると、自分が褒められた映像を見たグループは練習より約20%も多く打てたそうです。
ちなみに、他の2つのグループも練習よりは多く打てましたが、約14%にとどまっていました。
褒めることがいかに効果的かが分かります。

私たちがふだんの生活で最も聞いているのは自分の声です。
声に出したものだけではなく、心の声も。
まずは、自分自身を褒めてあげることから始めてみるのもいいかもしれません。

脳とこころの豆知識 - 記憶と学習 - 記憶力を高めるには

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