私たちが物を見た時、どうやってそれを認識するのでしょうか?
「歯ブラシ」を見た時、「歯ブラシ」という存在を知っていて、目が見える状態であれば、「歯ブラシ」を見て「歯ブラシ」とわかると思いますよね。
ところが、残念ながら「歯ブラシ」という存在を知っていて、目が見えていても、「歯ブラシ」をみて「歯ブラシ」とわからない人もいます。
驚くことに、「歯ブラシ」という存在はしっているので、「歯ブラシ」に触ると、「歯ブラシ」だとわかり、ちゃんと「歯ブラシ」を使う事も出来ます。
この状態を『視覚失認』と言います。
目が見えているにもかかわらず、実際に見ているものが何かわからなくなってしまうんですね。
この不思議な症状の原因は、What経路(腹側経路)と呼ばれる場所の障害だと言われています。
いったん私たちが目にした情報は、網膜から視神経などを経由して視覚野に入ります。
ここまでの経路に問題がなければ、目は見えます。
そして、いったん視覚野に入った情報は、What経路(腹側経路)とWhere経路(背側経路)に分かれます。
このWhat経路は、名前の通り、物が何か、どんな色かという事を認識しています。
ちなみにWhere経路は、物がどこにあるのか、物が動いているのであればその速さや方向を認識します。
私たちが普通に物を見て、それがわかるというのは、実はすごいことなんですね。
視覚失認 (visual agnosia)動画 (英語です)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=ze8VVtBgK7A