どれくらい正確に物を見ているのか~プレグナンツの法則~

どれくらい正確に物を見ているのか~プレグナンツの法則~Harmonista9

ちゃんと見ていても意外と正確にものを見るというのは難しいようです。
では、私たちはいったいどれくらい正確にものを見ているのでしょうか?

人には見たものを最も単純で、規則的で、安定した形のものとして把握する傾向があります。
これをプレグナンツの法則といいます。

といわれても、なかなかピンとこないですよね。
具体例を挙げてみましょう。
左側の図の左のような形を見た場合、『円と三日月が二つ隣接している』というふうに解釈するのではなく、『円が三つ重なっている』というふうに解釈する傾向があります。
右側の図の左の柄を見たときに、隠れた部分を補正して、三角形に見えるのもこの法則によるものです。

これは、ものごとを素早く判断するためには便利な機能であり、その昔には生きていくために必要な能力でした。
たとえば、木の陰に隠れた敵をいち早く発見して身を守ったり、もしくは獲物をすみやかに発見したりするためには重要になるわけです。
しかし、それは同時にものごとを正確に見るという側面にとっては、弊害となります。
実際どうかということは確認しないとわからないわけですが、それに違いないと思ってほかの選択肢がなくなる可能性があるということです。

私たちが三角形だと思ってみていたものが、本当は三角形ではないように。
隠れている場所が違うだけ、つまり、見る人、視点が違うだけで、同じものではあっても全く違うものに見えてしまいます。
私たちが見ているものが、他の人にとっては全く違うものに見えているという事もありうるということです。
しかし、私たちは、相手と同じものを見ているときというのは、相手も同じように見えているはず…と思い込んでいます。

これは、単に図形だけの話なのでしょうか?
おそらくは、他のことに対しても往々にして、そういうことは起こってくるものです。
そのため、相手にはいったいどう見えているのかという確認作業を怠ると、大きな誤解が生じてしまうわけです。

時には、相手にはどう見えているのか…確認してみるのもいいかもしれません。

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