空間を聞きとる~音楽能力と空間認知の関係~

空間を聞きとる~音楽能力と空間認知の関係~Harmonista154

不思議なことに音楽の分野だけでなく、語学や心にも効果的らしいので楽しみです。
できれば、私の鈍い方向感覚がどうにかなってくれないかな。
お仕事で人のお家を訪問すると帰る時、かなりの確率でエレベータのある方向を間違うんだよね。
むしろ偶然の域を切っている気がする。

空間認識能力は姿勢や音楽の能力とも関係しています。
空間認識能力とは、物の形や大きさ、間隔や場所を正確につかむ能力のことです。
ビルギー博士らは音痴の人は空間認識能力が低いと報告しています。
いろいろな角度から提示された何個かの複雑な立体図形を頭の中で回転させ、同じものはどれかをあてるといったテストをすると音痴の人では正解率が低いそうです。

さらに、リバプール大学のスラミング博士らによると「オーケストラ楽団員は空間能力が高い」そうです。音楽歴が長い人ほど空間認知の成績が良いということですから、訓練によって鍛えられる可能性もありそうです。

では、なぜ音楽の能力と空間認知能力に関連性があるのでしょうか?
もともと私たちは、無意識ですが聴覚を自分のいる空間の把握に使っています。一瞬、「えっ??」って思いますよね。空間の把握って、眼で見ることだけで行っているんじゃないそうです。
ここで関連しているのが「反射音」です。

ローレンス博士が行った実験です。
人の話し声、コンピューターのノイズ、カウベルのガランガラン鳴る音を次の4か所で録音します。
1) 中程度の大きさの教室
2) 絨毯敷きの狭い事務室
3) バスケットボールの屋内コート
4) お手洗い

そして、録音した音を聞いてもらって、4か所の写真をみながらどこで録音したのかを当ててもらいます。
すると、正答率なんと73%。

空間ごとに発生する反射音が減衰していく様子を無意識にうまく聞き取ってあてていることが、その後の追跡調査で分かっています。
ふだんから、自分のいる空間を聞きとっているんですね。

効果に期待します。

脳とこころの豆知識 ― その他 - 音の持つ力

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