現代社会は情報にあふれています。
街を歩けば、道路標識、案内板、建物の壁には広告やポスター、店のショーウィンドウ。
最近では、電車に乗っているときも、さらには歩いているときでさえスマートフォンから情報収集をしている人もいます。
適度な量の情報は、脳を刺激し、脳を育てるためにも重要です。しかし、それがある一定のラインを越えて過剰になってしまっては逆効果です。
私たちの脳は、処理できる範囲を超えた情報に触れると、その情報を処理するのをあきらめてしまうそうなのです。
仕事がないとボーっとしていて何も働かないけど、仕事がありすぎても「もう無理」って思って仕事放棄してしまうということです。
これが、なんと脳の機能を調べるfMRIでも確認されています。
テンプル大学神経意志決定センターのAngelika Dimoka博士が行った「組み合わせオークション」という、心理的にも過酷なものを使った実験です。
被験者に、とまどうほどの多量の物件のセリに参加してもらいました。このセリでは、それぞれの物件は単独でも組み合わせても購入できます。当然、購入数が増え、組み合わせが複雑になってくれば情報量も増えます。
その時の脳の働きを調べました。
その結果は、情報が増えると意思決定と感情抑制に関係する背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)が活性化することが分かりました。情報を処理しようと脳が一生懸命働き始めたということです。
ところが…情報量がさらに増えると脳はその作業を中止してしまいました。仕事放棄です。
そして、その時彼らはというと、当然セリに対しての判断力は低下していました。
それだけではなく、感情も乱れ始めていたそうです。
脳の取扱説明書 p77
http://mui-therapy.org/