ノスタルジア

ノスタルジアHarmonista過去や故郷を懐かしむ「ノスタルジア」には、孤独・退屈・不安に対抗する力があり、他人に対して寛容になり、寒い日には身体を温かくする効果があるそうです。

人生が豊かになり、楽観的になるとも言われています。

ノスタルジアの効果を確かめた実験があります。
被験者には悲惨な事故の記事を読んでもらいます。その後、過去を思い出してもらい、ノスタルジアの効果をみました。
すると、気持ちの落ち込みが大分和らいだそうです。

そして、ノスタルジアを起こす簡単な方法が音楽を聴くことです。
ノスタルジアが人を元気づけるのかどうかを調べた実験があります

ノースダコタ大学のクレイ・ルートレッジ博士は、イギリス人、オランダ人、アメリカ人に昔のヒットソングを聞いてもらいました。
その後に、「生きることにどれほどの意味があるのか、一人の人間が世の中に与える影響なんてむなしいほど些細なものではないか」という内容のエッセイを読んでもらいます。

すると、エッセイを読む前にノスタルジアを前もって経験した人達は、エッセイにあまり影響を受けなかったそうです。
それだけではなく、被験者はエッセイを読んだ後、よりノスタルジアを感じるようになったそうです。おそらく、生きることに対する空しさを和らがるためではないかと推測されています。

ただし、人を遠ざけたいと思っている性格の人や神経症の人には効果がないそうです。

少し話がそれるかもしれませんが、1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱した回想法という心理療法があります。
過去の懐かしい思い出を語り合ったり、誰かに話したりすることで脳が刺激され、精神状態を安定させる効果が期待できるため、当初は高齢者のうつの治療に使われていました。
その後、長く続けることで認知機能が改善するということが分かり、認知症のリハビリテーションにも利用されています。

http://mui-therapy.org/newfinding/nostalgia.html

Routledge C et. al. The past makes the present meaningful: nostalgia as an existential resource. J Pers Soc Psycho 2011 Sep;101(3):638-52. doi: 10.1037/a0024292

回想法

脳とこころの豆知識 ― その他 - 音の持つ力

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