精神面の充実が作業効率をあげる~ホーソン効果~Harmonista
職場での作業効率には、人間関係がとても大切な要素になると言われています。
実は、職場の物理的な環境条件や雇用条件を変えるよりも、職場でより良い人間関係を作れるようにしたり、その人の個性にあう場所に配置したり、仕事にやりがいを持たせるようにしたりといった精神面の充実をはかる方が作業効率が上がるということがわかっています。ホーソン効果と呼ばれています。
これは、1924年から1932年にかけて、アメリカのウェスタン・エリック社のホーソン工場で行われた実験です。
ハーバード大学のGeorge Elton MayoとFritz Roethlisbergerらの研究グループが作業効率(生産性)と労働意欲が何によって決まるのか、その要因を明らかにするために行ったものです。
「物理的な作業条件」と「従業員の作業能率」の関係を調べるために、照明実験、リレー組立実験、面接実験、バンク(電話交換機の端子)配線組立実験という4つの実験を行いました。
すると驚くことに工場の照明や工場内の温度や湿度、更には賃金・や休憩時間といった物理的な作業条件と従業員の作業能率には明らかな関連性がないことがわかりました。
むしろ、職場で人間関係がうまくいっているかどうかや仕事に対する適性(納得)といった精神的な要素が、従業員の労働意欲と関係していました。
しかも、上司の検査官と労働者の間に「良好な関係(信頼感)」があるほうが、より欠陥やミスの少ない製品を製造できていたそうです。
これはあくまで実験なので、物理的な要因を変えるといっても、職場を極端に劣悪な環境にするという設定ではありません。
どうしても労働状況の改善というと物理的な職場環境や雇用条件などの目に見えるものを整えることに目が行きがちですが、それだけでは不十分だということです。
むしろ目に見えない精神的な部分にこそ気を配る必要があるのかもしれません。
職場の人間関係をよくし、その人の個性に合わせた場所に配置したり、仕事の意義を見出せるように工夫したりといったことに作業効率を上げるもとが隠されているのです。
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Hawthorne Effect
脳とこころの豆知識 ― ビジネス