美しさを感じる場所

美しさを感じる場所Harmonista104

絵や音楽など芸術は、私たちの生活を味わい深いものにしてくれます。
ただ何に美しさを感じるかは、人それぞれでしょう。
たとえば、一般人には理解しがたいと思いますが、数学者は数式に美しさを感じたりもするようです。

 では、私たちが何かに美しさを感じる時、私たちの脳ではどういうことがおこっているのでしょうか?
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの客員研究員の石津氏とセミール・ゼキ教授が行った実験です。

あらかじめ30人に60の絵画と60の音楽を聴いてもらい、それを美しさの観点から1-9の9段階で評価してもらいます。7-9と評価されたものを「美しい」に、4-6を「微妙」に、1-3を「ひどい」とします。
そして、 絵画と音楽それぞれから、「美しい」、「微妙」、「ひどい」を10個ずつ、つまり絵画30個、音楽30個を選びます。

これらの評価をもとに人が美しいと感じた時にどこの脳が活性化されるのかを調べました。
そのために、21人の被験者に選ばれた30の絵画と30の音楽を見聞きしてもらいます。
そして、その時に脳のどの場所が活性化されるのかを脳の機能を調べるfMRIを使って調べました。

すると、「美しい」と評価された絵と音楽では、眼窩前頭皮質という前頭葉の中でも目の上にある部分が活性化されていました。

絵だろうが、音楽だろうが、音楽でもロックだろうが、クラッシックだろうが、美しいと感じればそこが活性化されるのです。

眼窩前頭皮質は「美しさ」を感じる働きだけでなく、理性や欲望に関係しているともいわれています。心のブレーキをかける一方、欲望というアクセルも踏む場所でもあるのです。
自分の行動を見張る自己モニタリングの機能を持つともいわれています。

そして鍛える方法が、人とのコミュニケーション、運動、座禅だそうです。
静と動。何とも不思議な感じがします。

Toward A Brain-Based Theory of Beauty
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0021852

脳とこころの豆知識 ― その他

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