カテゴリー別アーカイブ: ストレス

周りの人が心の病にかかったら~対人関係療法~

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『対人関係療法』の話を聞きに水島広子先生の講演会に行ってきました。
精神療法の中でも最も効果があり、よたよたしながらでも自分で立って歩けるようにするための治療だそうですが、残念ながら日本ではまだ受けられるところは少ないようです。

その中で、病気であるということを認識してもらうことというのは、本人の罪悪感を減らし、治っていくものであると認識してもらうためにも大切であると言われていました。

心の病気は、重症であっても身体の病気ほどわかりやすくないため、重篤な状態であっても、休むということに対して「気合が足りないのではないか」と自分を責めやすくなるそうです。

そういう方たちが周りにいる方にとってできることというのは、いろいろ聴きだしたり、アドバイスしたりするよりも気持ちを共感し寄り添ってあげることや、本人が何か話した時にどんな内容を離したとしても驚かない事、本人が「何を語っても大丈夫であるという安心の場」があることだそうです。

そして、病気なので、優しくしたり励ましたりしてもすぐには元気にならないことが多いでしょう。
その時に「こんなにいろいろしているのに、なんで元気にならないの?」と思うのは、「大手術をしたばかりの人に、優しくしたから元気になって」と思うようなものだそうです。

からだの病気だとわかりやすいのですが、心の病気の場合は、本人の努力でどうにかなるのではないかと本人も周りも思いがちです。まぁ、努力でどうにかならないから病気なのですが…。

もちろん、周りの人も人間なので、そう思ってしまうのは当然のことです。
特に、身近な立場であればあるほどそうなりやすいでしょう。
そういう時に最も大切なのが、自分自身も整えていくということです。自分自身が良い状態であることで初めて相手に余裕を持って接することができます。

対人関係療法
http://www.hirokom.org/ipt.htm

脳とこころの豆知識 - ストレス

梅雨は身体がだるくなる

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昨日は久々の雨。そのせいか少し暑さが和らいだ感じがしました。
そろそろ梅雨に突入ですかね。
できれば雨の日にはお家でまったりしたいものです。

梅雨はどうしても身体がだるくなりがちだとされています
衛生管理上、適正な湿度は40~70%とされ、それ以下だと口腔粘膜の乾燥、インフルエンザウイルスの蔓延、静電気の発生につながり、それ以上だとカビ・ダニの発生につながります。

この梅雨の時期は、気圧が低くなり、身体がむくみやすくなったり、自律神経のバランスを崩しやすくなったり、アレルギー症状が出やすくなったりするとされています。

梅雨はどうしてもお天気が曇りがち。朝にしっかりと太陽の光を浴びることができません。
そのため、日中の活動を支える交感神経への切り替わりができず、副交感神経優位になるからではないかとされています。
それに梅雨のこの低気圧が拍車をかけることになっているというわけです。

交感神経と副交感神経どちらも大切です。要はバランスです。
どちらかが優位になりすぎると不調になります。

疲れであっても、交感神経優位の場合に感じる疲れは、イライラしたり、ピリピリとした不安感が強いタイプのもので、興奮して夜眠れない、血圧が高い、血糖値は高い、といった状態になります。

いっぽう、副交感神経優位の場合には、少し動くだけでも疲れる、やる気が起こらない、小さな事が気になる、落ち込みやすい、朝起きるのが億劫になるといった状態になります。

そして、そのどちらの疲れにも効くとされているのが、身体を温めることだそうです。
交感神経優位の場合は、血管収縮による血流障害で、副交感神経優位だと代謝が落ちて低体温になりやすいとされています。

疲れを感じた場合は、ゆっくりと湯船につかってみるといいかもしれません。

元ネタはこちら
http://allabout.co.jp/gm/gc/302438/
http://matome.naver.jp/odai/2138874972719489101

脳とこころの豆知識 - ストレス

旅行にはストレスを軽減し、心臓病のリスクを減らす効果がある

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旅行は、心臓発作やうつ病のリスクを減らし、脳内の認知機能を高めるという報告もあります。
U.S. Travel Associationの協力で行われた、民間の非営利団体であるTransamerica Center for Retirement Studies及びThe Global Commission on Agingによって行われた調査です。

アメリカ人は旅行が好きで、退職後2つの大きな楽しみの1つに挙げられています。
実際、71%以上もの人が旅行は人生を謳歌する助けになると考えており、86%もの人が旅行によって気分がよくなり、前向きになると回答しています。
さらには、78%もの人がストレスが減り、77%もの人が健康状態が良くなり、75%もの人が友情関係が深まったとしています。

多くの人は、もともとの旅行の目的を、日常の煩わしさから逃れ、リラックスし、楽しむこととしていたのですが、意図せずして健康状態が良くなったり、友情関係が深まったりする効果もあったということです。

めったに旅行しない女性(6年に1回以下)と、年に2回以上旅行する女性を比較すると、めったに旅行しない女性は、心臓発作を起こすリスクが高く、それによって亡くなるリスクも格段に高かったそうです。

毎年旅行に行っていない男性は、死亡のリスクが20%、心臓病による死亡率が30%アップするとも言われています。

まぁ、実際、旅行に行けるということは、そういう時間が取れる生活環境と経済状態があってこそというのも大きいかもしれませんが。。。
でも、旅行によって得られるストレスの軽減や人間関係の改善という点から考えると旅行だけの直接的効果もありそうですよ。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130422/348438/
http://irorio.jp/sousuke/20131225/98102/

脳とこころの豆知識 - ストレス

慢性疲労症候群

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原因がわからない疲労感が6ヶ月以上続く状態のことを慢性疲労症候群と言います。
あきらかに、いろいろと頑張りすぎて疲れがたまっているという人や病気を患っている人は、この中には入りません。

では、これがどうしてなるのかというと…ストレスや遺伝要因による免疫低下、内分泌異常、それらによる感染症の発症、脳機能異常が組み合わさって症状が出るというのが有力なようです。

慢性疲労症候群を患っている方は、脳神経の炎症反応が広く見られるという報告もあります。
神経炎症にかかわっているマイクログリアやアストロサイトという細胞が脳の中でどれくらい活性化しているかPETを用いて、慢性疲労症候群の患者で調べ、健康な人と比べました。

すると、慢性疲労症候群のCFS/ME患者の脳内では広い範囲で炎症が起こっているということがわかったのです。
さらに、それがそれぞれの症状によって炎症が起こっている範囲が決まっていたのです。

認知機能に問題があった方は、扁桃体と視床、中脳に、頭痛や筋肉痛は帯状皮質と扁桃体に、抑うつ症状は海馬に炎症が起こっていることが示唆されたのです。

もし、ゆっくり休んでいるのにず~っと疲れているというのであれば、下記セルフチェックをしてみてもいいかもしれません。

慢性疲労症候群セルフチェック
http://www.chrofatig.com/knowledge/check.html

元ネタはこちら
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140404_1/

脳とこころの豆知識 - ストレス

怒りは心臓病のリスクになる

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2月、3月と仕事で朝5時半起きの生活が多かったのですが、それも一昨日にはひと段落。
夜何時に寝ようとも念のための保険としてかけている目覚ましよりも先に目が覚めてしまうというふだんは便利なこの特技は、こういう状況ではかえって睡眠不足に拍車をかけてしまうようです。どうも明日早いから早く寝ようという発想が浮かびにくくなってしまいます。

この状況を招いている私が言うのもなんですが、睡眠はとても大切です。
睡眠不足になるとイライラして怒りっぽくなるというのは想像に難くないと思いますが、実験でもちゃんと証明されています。

そして、この「怒り」という感情は、健康にも害を及ぼすことがわかっています。
というのも、怒りを感じると自律神経機能が乱れ、交感神経が活発になり、アドレナリンが増えるのです。

デューク大学のウィリアムズ所長は、「慢性の怒りは心臓に長期的なダメージを与えかねない」と言っています。

オーストラリア・シドニーの急性心血管診療所が行った調査でも怒りが心臓病のリスクになることが証明されています。
心臓発作を起こした300人以上の患者に、心臓発作が起こる前の48時間に何らかの怒りの感情を経験していたかどうかについて質問しました。すると、極端な怒りを覚えた患者は2時間以内に心臓発作を起こすリスクが通常よりも8.5倍も高いことが分かりました。

この「怒り」という感情の出発地点は、脳の「扁桃体」というところです。
この扁桃体が、自分自身への脅威を察知すると、身体にストレス反応をおこすホルモン、「アドレナリン」が交感神経終末より分泌されます。

このアドレナリンの作用によって、心拍数が速くなってドキドキしたり、血圧があがったり、汗を多量にかいたり、血管が収縮し、結果として血流が悪くなったりします。さらに、このアドレナリン、血を固まりやすくする作用もあります。つまりは、怒りがあると血液がどろどろの状態になりやすいということです。

しかも、この身体の異変を扁桃体がキャッチするとさらにアドレナリンを分泌させ、怒りの感情を大きくする、つまり小さな怒りが自動的に大きくなるというなんともありがたくない現象が起こるわけです。

それで、自動的に育ってしまった怒りを自分で扱えなくて、あるとき突然「怒り」が爆発するということが起きるのでしょうか。

とはいっても、あるはずの「怒り」を見ないふりしても意味ないですよ。身体はわかっています。

では、どうするの?って話ですよね。
こちらで勧められていたのが
・水を飲む
・部屋を片付ける
・口角を上げる
・背筋を伸ばす
・ゆっくり歩く
・「ため息」をつく
だそうです。

試してみます。
でも、その前にしっかり眠るようにしたいと思います。

元ネタはこちら
https://www.kyotoliving.co.jp/article/101106/front/index.html

アンガーマネジメント

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マッサージの効能

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マイアミ大学のTiffany Field博士によると、マッサージには次のような効能があるそうです。
1. 早産で生まれた赤ちゃんの体重を増やす
2. 繊維筋痛症や関節リウマチの痛みを軽減する
3. 集中力を高める
4. 抑うつ傾向を改善する
5. 免疫機能を高める(ナチュラルキラー細胞を増やし、活動性を高める)

特に中等度の圧のマッサージには、リラックス効果があり、抑うつ傾向を改善し、不安を軽減し、心拍数を鎮めるとされています。
その他にも副交感神経である迷走神経を活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールを減らす働きもあります。

脳の機能を調べるfMRIで検査すると、中等度の圧でマッサージを受けると脳のいくつかの部位が反応を示すことがわかりました。
扁桃体、視床下部、前部帯状回といずれもストレスや感情の制御に関連する場所です。

実際、マッサージが身体のコリをとるだけでなく、脳のリラックスにも効果的だとする報告もあります。

マイアミ大学小児科学研究所のティファニー・フィールドらが行った実験です。
マッサージが脳に与える影響について脳波を使って調べています。

対象は、心理的に落ち込んでいる若者30人です。
プロのマッサージ師が彼らに15分間スウェーデン式マッサージを行います。
そして。その前後でその被験者の脳波を調べました。

すると、マッサージ前と後では、脳波が変わっていたのです。
落ち込んでいる時には、前頭葉の脳波が左と右とで違ってきます。ところが、マッサージをした後では、その違いが小さくなっていました。

健康な人たちについて調べられたものもあります。
対象は、病院で勤務している50人です。
同じようにスウェーデン式マッサージを行います。こちらで調べられているのは、脳波ではなくて唾液中のストレスホルモンです。
そして、結果は…
ご想像の通り、マッサージ後では、唾液中のストレスホルモンが減少していました。

実は、ストレッチや運動で筋肉を伸ばし、体内の代謝を亢進させることで、体内での細胞の機能を高める成長ホルモン(IGF-1)を産出することもわかっています。

身体の緊張を解いてあげると身体が楽になるだけでなく、リラックスするんですね。
お疲れの方は試してみてください♡

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25172313

脳とこころの豆知識 - ストレス

適度なストレスは人を優しくする

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3月27日は、さくらの日。3×9(さくら)=27のごろ合わせと72候の1つ桜始開が重なることから来ています。日本の歴史と文化、風土と深くかかわってきた桜を通して、日本の自然や文化について関心を深める日だそうです。

よく日本文化の特徴として言われているのが、外来文化を積極的に取り入れていること、人間関係が情緒的(和)、細部に目が届くことです。それにより独特の文化を創り出してきたと言えるでしょう。

当然、そこに住む私たち日本人は、他人に心を配り、自分を他の人とあわせようとする気質も強いと思います。きめ細やかな心配りができるようになる反面、やらなければならないことに注意がいき、自分の好きなことやりたいことは後回しになりがちです。
当然、ストレスも感じやすくなるように思います。

そして、適度なストレスがあるからこそ、私たちは他人により優しくなれるようなのです。
以前は、このような性質は女性だけのものと考えられていましたが、実は男性にもみられるそうです。

2012年5月のjournal Psychological Scienceで報告された論文です。
チューリッヒ大学の67人の男子学生を対象に行っています。
半分の学生には、スピーチや難しい数学のテストといったストレスを与えます。

学生たちは、「信頼ゲーム」や「お金分散ゲーム」を現金を使って、別のボランティアの人たちとやってもらいました。これらのゲームでは、相手を信頼するのか裏切るのか、お金をシェアするのか、ため込むのかといったことを選択することになります。

学生たちには、その他に単純にさいころの目で決まるギャンブルもやってもらいました。これによってどのくらい積極的にリスクをとるのか、社会性のない行動をするのかをみました。

そして、実験の間中、学生たちは、心拍数とストレスホルモンであるコルチゾールの唾液中濃度がどのように変化をするかをチェックしました。
それで、その時の行動がストレスがある場合となかった場合でどう違うかを調べたわけです。

すると、ストレスを感じている場合には、他人を信頼しやすくなったり、他の人にお金を多くわける傾向があったそうです。
ちなみに、どれくらいリスクをとるのかといったことや社会性のない行動をとるのかといったことには、ストレスは関係なかったそうです。

ストレスがありすぎるのは問題ですが、適度にストレスがあるからこそ他人の気持ちをくみとりやすくなるのかもしれません。

元ネタはこちら
http://news.nifty.com/cs/item/detail/mnwoman-20140323-mw1985281/1.htm
http://www.livescience.com/20458-stress-turns-men-social-butterflies.html

脳とこころの豆知識 - ストレス

日常生活に潜むストレスとは

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私たちのなにげない日常には意外なところにストレスが隠れています。
自分ではストレスと感じていなくても、もしかすると知らないうちにストレスがたまっているかもしれません。
そんな日常生活に潜むストレスについてまとめてみました。

【目次】
1. 過剰負荷環境
2. 満員電車はストレスがいっぱい
3. 冬は心も寒くなる
4. 孤独とストレス


1. 過剰負荷環境

私たちの普段の生活は情報に溢れています。
その最たるものが、インターネットだと言われています。
平成26年度の情報通信白書によるとネット利用時間の平均は、平日で77.9分、休日だと86.1分にもなるそうです。
シマンテック社による2012年3月の調査では、5人に1人(19%)が「インターネットがなかったら3時間以内に禁断症状を覚えるだろう」と回答したそうです。

最近、アメリカでは、ネットと常につながっている状況から抜け出し、「オフライン」の休暇をとろうという『デジタルデトックス』というものが流行っています。

現代社会では、インターネット以外にも、テレビ、新聞、雑誌などに加え、電車の中の広告、ネオンなど多くの情報があふれています。
便利である一方、これだけ情報が多すぎるとその情報を処理することが難しくなってしまう『過剰負荷環境』という状況を引き起こしてしまいます。
『過剰負荷環境』によって生じる問題は、単に情報に振り回されて、適切な選択ができなくなるというだけではないようです。

というのも、多くの情報を全て処理するには、膨大なエネルギーが必要です。
そこにエネルギーを費やした結果、本来であったら大切なはずの家庭・仕事・趣味などに心の余裕をもって接することができなくなり、ストレスがたまってきてしまうのです。

では、実際に『過剰負荷環境』に陥ると人はどうなるのでしょうか?
ミルグラムは以下のように述べています。
・それぞれの刺激に対処する時間を短くする(人に何か尋ねられても必要最低限の接触にする)
・重要でない刺激は無視する
・他人に責任転嫁する(困っている人を見ても他の人が助けるだろうと無視する)
・他人と接触せずに仲介機関を利用する

これは、情報過多により前頭葉がオーバーワークになっているからかもしれません。
そのため、前頭葉での処理が追いつかず、結果的に前頭葉の働きが鈍った状態になるのです。
前頭葉の機能が低下すると、きれやすくなるとも言われています。
時には、情報から離れて生活してみるのもいいかもしれません。

デジタルデトックス
インターネット依存度テスト

2. 満員電車はストレスがいっぱい

誰もがストレスに感じるであろう満員電車。
調査会社マクロミルのアンケート調査によると、東京・大阪で通勤通学に1時間以上かけている人は、全体の50%以上。
東京への通勤通学者の86%、大阪への通勤通学者の74%が満員電車に乗ることがあるのだそうです。

このように多くの人が経験している満員電車ですが、未だにこれが好きという方にはお目にかかったことはありません。
実際、ギャバ・ストレス研究センターが実施した意識調査によると、サラリーマン男性にとって1日のうちで最もストレスを感じるのが通勤時の満員電車だそうです。

では、他のストレス場面と比較して、どのくらいストレスになるのでしょうか?

ストレスの指標になる唾液中のクロモグラニンAを測定し、ストレスの程度を調べた実験があります。
クロモグラニンAは、交感神経を反映する指標で、精神的ストレス時に唾液中のクロモグラニンAは同じくストレスの指標になる唾液中のコルチゾールよりも早く上昇してきます。
つまり、コルチゾールよりもリアルタイムに精神的ストレスの程度を知ることができるということです。

20~30代のボランティア22名に対し、ストレス負荷前の状態とストレスがかかっていると思われる次の4つの場面で測定しました。

1) 平日ラッシュ時(午前8時台)のJR東海道線 横浜―新橋間(約21分)に乗車
2) 株主総会など、大勢の前でプレゼンテーションをしなければならないとき
3) 上司から叱責されたとき
4) ジェットコースターを嫌いな人が、都内最大級のジェットコースターに乗ったとき

すると、満員電車に乗車した時のクロモグラニンA量はストレス負荷前4倍以上と最も上昇していました。なんと、「株主総会」「上司からの叱責」「ジェットコースター」等と比較しても2倍以上だったそうです。

他のも結構ストレスかかりそうなのに…。満員電車のストレスってすごいんですね。
そして、毎日それで通勤。地元福井でのドア to ドアの車通勤生活が懐かしいです。

この実験、ギャバ・ストレス研究センターが調べたものなので、もちろん食品に含まれるギャバの効果もみています。

ギャバとは、γアミノ酪酸(GABA:γ Amino Butyric Acid)のことで、植物や動物、わたしたちの体内にも広く存在する、天然アミノ酸のひとつです。主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として働いています。興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりする役割を果たします。

そしてこのギャバの効果はというと…あらかじめギャバを摂取して満員電車に乗った場合には、クロモグラニンA量は、他のストレス場面と同程度だったそうです。
つまりは、普段の半分以下になっていたということです。
まぁ、それでも十分ストレスフルな気はしますが。

食品のGABA含有量はこちらを参考に
ギャバが含まれる食品一覧|含有量が高いのは穀物・野菜・果物類

元ネタはこちら
満員電車のストレスは?

3. 冬は心も寒くなる

寒い時期というのは、気分も落ち込みやすいとされています。
というのも、日本のように四季がはっきりしている所では、季節によって脳内のセロトニンの量が変わってしまうのです。

セロトニンというのは、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑え、心のバランスをとるのに必要な神経伝達物質です。
そのため、セロトニンが減ってしまうと気持ちが沈みこんでしまうということが起きます。

では、なぜ四季がはっきりしていると、季節によってセロトニンの量が変わってしまうのでしょう。
これには日照時間が関係しています。

オーストラリアBaker心臓研究所のG. W. Lambert氏らが行った実験です。
健康で、うつ病などにかかっていない男性ボランティア101人に対して、セロトニンやその代謝物量と、季節や日照時間との関連を評価しました。

すると、脳内でのセロトニンが入れ替わる速度は、冬に最も遅くなることがわかりました。
さらに、冬という気候の何が関係するのかを調べるために、セロトニンの産生量と日照時間、気温、気圧などとの関係を調べました。

すると、セロトニンの産生量と関係性があったのは日照時間だけだったそうです。
つまり、太陽の光をどれくらい浴びているかで、セロトニンの産生量が変わってきてしまうということです。

ちなみに、脳以外の他の部位で産生されるセロトニン量やセロトニン以外の神経伝達物質には、季節による変動は認められなかったそうです。

では、太陽の光をあまり浴びることができないこれからの季節、どうしたらいいのでしょう。
セロトニンを増やす方法には、他に以下のようなものがあります。

1. リズム運動をする(よく噛むことも含む)
2. 家族や恋人、友人とのふれあい
3. トリプトファンを多く含む食品をとる

元ネタはこちら
https://medical.nikkeibp.co.jp/…/hotne…/archives/221512.html

4. 孤独とストレ

普段の生活で「寂しい」と感じたことはありますか?
シカゴ大学の研究によると、普通の人でも年間で平均48日くらい「寂しい」と感じているそうです。それが本当に孤独な人にもなると、ずっと寂しいと感じているようです。

「いやいや、寂しくなんかないよ。ずっと一人でも平気さ。テレビもネットもあるしね」って、本当は自分の中にある寂しさを無視していると思わぬところで身体を壊すことになるかもしれません。

アメリカのシカゴ大学のジョン・カシオッポ教授が米国心理学会で衝撃的な発表をしています。

なんと、寂しさ(孤独感)はストレスホルモンを増やすというのです。
そのため、免疫力が落ち、血圧が高くなります。それだけではなく、睡眠が浅くなり、うつになるリスクが高くなってしまうのです。高齢者では、認知症が進みやすくなるとも言われています。

世界保健機構WHOも「孤独は、喫煙や肥満以上の健康リスクを伴う」とまで言っています。
それはなぜなのでしょうか?

実際、孤独な人達は、家に引きこもりがちになります。
そのため、「歩く」機会が少なくなってしまいます。また、その心の隙間を埋めるためなのでしょうか、お酒をたくさん飲んだり、甘いものをたくさん食べたりする傾向にあるともいわれています。それだけでなく、別名「幸せホルモン」と言われる『オキシトシン』は、人との密接なかかわりによっても分泌が促されます。そのオキシトシンが少なくなることもその一因かもしれません。

脳とこころの豆知識 - ストレス

不安は汗を介して伝わる

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不安に思っている人の汗を嗅ぐと、同情や苦痛に関わる島皮質が活性化することが分かっています。

デュッセルドルフ大学のパウゼ博士が行った実験です。
学位取得のための最終口述試験を控えた大学生49人を集め、次の2つの状況での汗を回収しました。
1) 試験直前の緊張した状態で流した不安の汗
2) ジムの運動で流したスポーツの汗

それで、別の学生28人(うち男性14人)にこの汗を識別してもらいました。
まぁ、当然ですが、意識的にはこの2種類の汗を識別できませんでした。

でも、この2つの汗を脳はしっかりと区別していたのです
fMRIという脳機能を調べる機械を用いて、汗の匂いを嗅いだ時の脳の働きを調べました。

すると、試験前で緊張している人から採取した汗の低濃度のにおいのサンプルは「人をいらいらさせる」ということがわかりました。そのためか、不安の汗を嗅いだ人は、不意に大きな音をたてられたときに驚く反射も大きくなっていたそうです。

では、そのとき脳ではどういうことがおこっているのでしょうか?
「不安の汗」を嗅いだ時は、社会的感情に関係するとされる紡錘状回や共感に関連する島(とう)、楔前部(けつぜんぶ)、帯状回も活性化していました。
さらに、注意をコントロールする視床や背内側前頭前皮質、感情をコントロールする小脳中部にも活動がみられたそうです。

つまり、私たちは、不安に感じている人が近くにいると、汗を介して、自動的に相手に注意が向き共感してしまうということです。不安が不安を読んでしまうんですね。

脳の取扱説明書 p111

Alexander Prehn-Kristensen et. al. Induction of empathy by the smell of anxiety. PLoS One, 4: e5987, 2009
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0005987#abstract0

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涙には人を癒す効果がある

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私たちに感動を与えてくれたオリンピックも昨日閉会式を迎えました。
選手たちと一緒になって、涙した人も多いのではないでしょうか?

実は、私たちが流す感動の涙には、ストレスを癒す効果があるらしいのです。
一口に、涙といっても、流す涙にも違いがあります。

涙は、以下の3種類に分けられます。
1つめは、ドライアイ防止や角膜保護のために常に分泌される「基礎分泌の涙」
2つめは、玉ねぎを刻んだ時や目にゴミが入った時に防御のために出る「反射の涙」
3つめは、悲しみや感動で流す「情動の涙」

そしてこの情動の涙…というのが、ストレス軽減に有効に働きます
なんと、週末に1回涙を流すことで大幅にストレスが軽減されるそうです。
残念ながら、玉ねぎを刻んで泣いても、全く効果はありません。

William H. Frey Ⅱは、「感情が高ぶった時になぜ人は涙を流すのか?」という問いに対して、感情的緊張によって生じた化学物質を体外に除去するためではないか…という仮説をたてました。で、実際に涙の性質を調べたわけです。
すると、感情が高ぶった時の涙では、タンパク質濃度が高かったそうです。

実際、そういう時の涙には「ランナーズハイ」などの快感をもたらす、いわゆる脳内モルヒネ「β-エンドルフィン」の一種である「ロイシン-エンケファリン」やストレスホルモンが含まれるとされています。
そして、それが排出されることによってスッキリするのではないかと推察されているのです。

東邦大学の有田らは、情動の涙を流す時の心身の変化を調べています。
ちなみに、情動の涙を流してもらうために用いたのは、「フランダースの犬」と「火垂るの墓」。定番ですね。

20人中のうち、9割が途中で泣いたそうですよ。さすが、感動の名作です。
そして、泣く1~2分前に脳の「前頭前野」という場所の血流が緩やかに増え、10~20秒前から急増します。それと同時期から血圧と心拍数の増加も見られたそうです。

では、その時の本人はどう感じていたのでしょうか?
心理テストによると、泣いた人では緊張や不安、混乱、怒りなどの度合いが小さくなって、「すっきりした」との感想も目立っていました。

逆に、うつになると泣けなくなるという報告もあります。
認知療法の創設者である米国のアーロン・T・ベック博士の開発した抑うつの度合を測定する評価尺度を見てみると、「以前は泣けたのに、今は泣きたくても泣けない」という項目に、抑うつを示す配点が高くなっています。

理性ばかりを働かせて感情を抑え込んでいると、感情をつかさどる脳の大脳辺縁系の働きが抑制されて、感情の吐露ができなくなることも関係しているのかもしれません。
自分の感情を抑えることなく、素直に表現することで、ストレスは少なくなるのかもしれませんね。

元ネタはこちら
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54914050R10C13A5MZ4001/

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