ストレスと食事との関係

ストレスと食事との関係Harmonista171
私たちは日々の生活で多くのストレスにさらされています。
このストレスから身を守るためには、ふだんの食事が重要になってきます。
心身に不調をきたす前にちょっとした予防を。
食事とストレスの関係について、まとめてみました。

【目次】
1. トリプトファンをとって、ストレス知らず?!
2. 過食を避けて海馬を守る
3. お酒でストレスは発散されない


1. トリプトファンをとって、ストレス知らず?!

心のバランスをとるのに必要とされる「セロトニン」という物質をつくるためには、毎日の生活、特に食事が重要になってきます。

セロトニンというのは、神経伝達物質の1つです。
神経伝達物質は、神経細胞が情報のやり取りをするのに重要な物質です。
セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑え、心のバランスをとるように働くとされています。
実際、セロトニンが不足するとうつ病や不眠症などの精神疾患をきたしやすいそうです。

厳密に言ってしまえば、セロトニンには脳で作られるセロトニンと腸で作られるセロトニンがあり、脳で作られるセロトニンを増やす必要があります。

脳のセロトニンを増やすのに重要なのが、原材料となる『トリプトファン』というわけです。
トリプトファンは、自然界の動植物に一般的に含まれています。
ところが、人間の体内では、作りだすことができないのです。
つまり、食事として摂取するしかないというわけです。

バランスよく食事を食べていれば、不足するという事はないとされていますが、無理なダイエットをしたり、偏食をしたりした場合には、問題になってきます。

ちなみに、この『トリプトファン』を多く含む食品には、バナナ、豆乳、牛乳、ヨーグルト、チーズ、ヒマワリの種、アーモンド、納豆、肉類、赤身の魚、すじこ、たらこ、白米、そばなどがあります。

疲れやすい、ボーっとする、イライラする、きれやすい、寝つきが悪い…などセロトニン不足を感じたら、食生活を見直してみてください。

食事以外で『セロトニン』を増やす方法として、下記があります。
1. 太陽の光を浴びる
2. リズミカルな運動をする
3. よく噛む
4. スキンシップ

セロトニンについて、詳しく知りたい人は、下記も参考に
セロトニンとは

2. 過食を避けて海馬を守る

ストレスといってもそれが長期にわたったり、ストレスの度合いが強かったりすると脳にも影響を与えてくるということがわかっています。特に海馬はそういったストレスの影響を受けやすいとされています。そして、この海馬の修復に重要な働きをしているものの1つにBDNFとよばれるものがあります。

BDNF (Brain-Derived Neurotropic Factor) は日本語でいうと脳由来神経栄養因子というもので、神経細胞の発生や成長、維持、修復に関与する分泌タンパク質です。さらに学習や記憶、情動、摂食、糖代謝などにおいても重要な働きをしています。

抗うつ薬の種類にSSRI (Selective Serotonin Reuptake Inhibitors 選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というものがあります。このSSRIがうつに効果を発揮するのも単にセロトニンを調整するというだけではなく、このBDNFの機能を回復させ、それによって障害を受けた海馬を修復しているのではないかと言う仮説もあります。

とはいっても、病気になってお薬が必要になってから初めて対処するよりは病気にならないように予防していきたいものです。
では、そのための方法には何があるのでしょう。
お薬を使う以外にこのBDNFを分泌させる方法としては、報告されているのが以下の3つ。
1. 運動
2. 適切な食生活(過食をしない)
3. 頭を使う事

最近、食生活とBDNFとの関係が見直されてきており、過食症の人ではBDNFが低値であり、食生活の改善によってBDNFの値が改善することが報告されています。
逆に、BDNFの値が低いと過食になりやすいということもわかっています。
つまり、BDNFが低い⇒過食⇒ますますBDNFが低くなるという悪循環になっている可能性があるという事です

ストレス発散に食べまくる…というのも考えものということです。
食べたいものを我慢するのもストレスになるだろうし、適度にバランスをとって美味しいものをいただくのがいいかもしれません。

3. お酒でストレスは発散されない

皆さん、お酒は好きですか???

純粋に楽しむためのお酒はともかく、ストレス解消のため…というのであれば、残念ながらあまり効果はないようです。
というのも、お酒でストレス発散されたと思っているのは、実は単に『ストレスを感じないようにしているだけ』のようなのです。

和歌山県立医科大学の上山敬司先生が行った実験です。
ネズミにアルコールを飲ませて、脳のストレス具合をみました。具体的に言うと、ストレスがかかると働き始める『zif268』遺伝子の活動がどうなっているのかを調べたんですね。

すると、アルコールを飲ませるとストレスを受けても大脳皮質の『zif268』は活動しませんでした。つまりは、ストレスを受けているにもかかわらず、ストレスを感じていないという事です。

ところが本当に何もストレスを感じていないかというと実は違うみたいです。
というのも、視床下部の『zif268』はというと、しっかり活動していたんです。

視床下部の活動というのは、意識にのぼらないため、本人は自覚できません。しかし、実は視床下部というのは身体のストレスを生み出す重要な場所なのです。

要するに、お酒には単にストレスを感じないようにする効果はあっても、ストレス発散の効果はなかったという事です。

脳とこころの豆知識 - ストレス

 

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